【ご挨拶】 園長 和泉勝世
県内外から転入してきた人にとって、その地域に溶け込むことは容易ではありません。子育てをしている人であれば尚のことです。
もともと地域コミュニティには子育て支援の機能があります。近所の子どもを預かったり、年輩者が若い親に子育ての助言をしたり、子ども同士で遊んだり、大きな子どもが小さな子どもの面倒をみたりといった、その地域で生まれ育った人にとっては当たり前の機能です。長い時間をかけて培われてきた機能は、地域に子育て環境の強固な基盤を築いてきました。
しかし、強固であるがゆえに、子育て中の転入者にとっては、大きな壁を感じさせるものになっていました。子育ての相談をどこにすればよいかわからない、子どもを遊ばせるところもわからないといった、子育てに不安をもっている転入者は少なくありません。仕事や急な出来事があっても子どもを預かってくれるところがないために、不安を抱えている転入者は少なくありません。心身ともに疲労を抱えて途方に暮れている親は少なくありません。何よりも不安を抱える親の心情は、子どもの成長に大きな影響を与えます。
そんな親と子どものために、当保育所は認可外保育所として26年間にわたり保育事業を続けて参りました。少子化した現在でも、若年層の都市への異動、県内資本の疲弊と県外資本の流入は続いています。こうした問題は将来にわたって終わることはないと私たちは考えています。私たちは、これからも同じように活動を続けます。
保育に欠ける子たちにとって、保育所はもう一つの家でなくてはなりません。当保育所は家庭的な雰囲気の中で、家族のような関係の中で、子ども一人一人の個性を尊重し、子どもたちが安心して暮らせる環境を提供できるよう努めています。一方で、閉鎖的にならず地域とも関わりを模索します。親たちも巻き込んで、子どもの成長とともに、子どもを取り巻く人間関係をこの地域にゆっくりとつくりあげていきます。地域に根ざす保育所として、いろいろなニーズに対応できるよう、これからも努力を惜しみません。
やがて当保育所を巣立った子どもたちが地域に溶け込んで、新たなコミュニティを創造してくれることを願ってやみません。
『沿革及び設立の趣意書』より


